肘の痛みとPRP療法(4) PRP療法の実際
これまで、テニス肘・ゴルフ肘・野球肘・肘部管症候群について説明してきました。肘の痛みを引き起こすこれらの疾患に対するPRP療法を行う症例が増えてきています。
自分の血液を使うことでからだへの負担が少なく、組織の治癒を促し炎症の抑制に寄与する治療法であるPRP療法。外科的治療に大きな抵抗がある方や、スポーツ選手など早期の復帰を望む方にとっては、特に期待を寄せる治療法になっているようです。
現在、PRP療法は自由診療となっており、治療を受けるか受けないかの決定は、ご自身の選択によるところが大きい治療法であることも事実です。治療効果について、個人差が大きいことも知られています。
PRP療法を希望するのであれば、現状の症状や保険診療で行われている治療の効果などの評価と今後の治療方針をしっかり確認しましょう。その上で、PRP療法の適応や、受けるメリット・デメリットを理解し、最終的な判断をするとよいでしょう。
実際の治療法
PRP療法は、採血した血液を遠心分離処理し、治療部位に注射するという治療法です。注射の手技や感染リスクなど、手技に関する合併症のリスクはありますが、自分の血液を使うので副作用は少ないとされています。
感染予防のため当日の入浴は控えるなどの注意点はありますが、入院や手術の必要はありません。
多血小板血漿(PRP)の研究も進化しており、治療部位などに合わせたPRPの作製なども行われています。
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まとめ
肘の痛みの原因となっているテニス肘・ゴルフ肘・野球肘・肘部管症候群。痛みだけでなく、スポーツや日常生活にまで影響を及ぼすこともあります。長引く痛みや症状に対し、手術だけではなく、再生医療であるPRP療法という選択肢も広がりつつあります。
またPRP療法は、「手術の回避」という意味合いだけではなく、「少しでも早い復帰」という観点でも検討されている治療です。PRP療法を行う医療機関も増えてきていますが、自由診療で行われている現状では、保険診療で治療を受ける以上に、慎重な医療機関・主治医選びが重要になると思います。
痛みや症状に長い間苦しんで来られた方、少しでも早く好きなスポーツに復帰されたい方などに、この情報がお役に立てば幸いです。
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