再⽣因⼦注⼊療法

コラム

膝の再生医療に感じる不安は?

近年、変形性膝関節症の治療も進み、バイオセラピーと呼ばれる再生医療による治療が行われるようになってきています。手術をしたくない方や、もっと歳を取ったところでの手術をお考えの方には、特に有効な選択肢となる治療法です。ただ、効果に個人差が大きいことに不安を覚えたり、自由診療であるため高額な費用がかかったりしてしまうことで躊躇してしまう方もいらっしゃると思います。変形性膝関節症だけではなく、ケガに対しても行われており、副作用が少ない治療法とされていますので、ご自分の膝の状態を把握し、検討してみるのもよいかもしれません。

では、実際に再生医療を受けたいと思ったときにどんなことに不安を感じるのでしょうか。安全性、費用、効果、副作用など、その不安と実際についてお伝えしていきます。

<安全性>

2014(平成26)年に、再生医療等安全性確保法が施行され、厚生労働省に届け出をしなければ、再生医療に携わることができなくなり、再生医療等の安全性の確保が図られるようになりました。

再生医療等安全性確保法では、リスクの大きさで分類し、高いリスクがあるものほど、より厳しい手続きが必要とされています。

第一種

再生医療等技術:人の生命及び健康に与える影響が明らかでない又は相当の注意をしても人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある

第二種

再生医療等技術:相当の注意をしても人の生命及び健康に影響を与えるおそれがある

第三種

再生医療等技術:第一種再生医療等技術及び第二種再生医療等技術以外の再生医療等技術

※再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)より抜粋 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000085_20220617_504AC0000000068

このように、リスクの大きさごとに3種類に分類され、安全性確保のために必要な措置を講じることを求められています。PRP療法は第三種に、APS療法は第二種に分類されています。少し難しい内容になってしまいましたが、再生医療は、自由診療ではありますが、国から安全性の確保が行われているということを知っておきましょう。

→治療についてはこちらのコラムを参考にしてください。

変形性膝関節症の治療~バイオセラピー編~

法律による安全性の確保のほかに、治療を受けられる人に制限をかけ、治療の安全性を保っているという側面もご紹介しましょう。

PRP療法を例に説明します。

・免疫抑制剤や抗がん剤治療中の方

・重度の貧血がある方

・感染兆候がある方(発熱、感冒症状など)

・出血傾向があったり、白血病の治療をされている方

・活動性の炎症疾患(リウマチ、膠原病など)に罹っている方

・薬剤アレルギーがある方

・1ヶ月以内にPRP療法を受けた方

自分の血液を使い、副作用の少ない治療とされていますが、このような方は、安全を考慮し、PRP療法の適応外となってしまいます。

<費用>

費用面ではどうでしょうか。PRP療法も含め、2023年3月時点では、保険診療で認められている膝の再生医療はありません。自由診療となるため、費用設定は医療機関ごとに異なります。治療を検討する際には、通院のしやすさとともに、費用の確認も必要です。ホームページに費用を掲載している医療機関も多いですので、必要であれば調べてみてください。

効果の持続期間には個人差がありますが、入院の必要はなく、リハビリも不要です。長期に仕事を休む必要はありませんので、費用を考える際の参考にしてみてください。

<効果・副作用など>

治療の効果には、個人差が大きく見られます。その要因としては、自分の血液を使う治療のため、治療効果の要である血小板の質の差により、効果の差となってしまうことだと考えられています。また、膝の変形が重症な方や肥満の方では効果が出にくいとも言われています。

稀ですが、感染を起こしてしまうというリスクもあります。これは、再生医療だけに限って起こるものではないのですが、信頼できる医療機関を選択することで、かなりリスクを減らすことができるでしょう。

治療後にしこりができてしまうことがあります。注入量や濃度が原因とされていますが、通常、数か月で自然に消滅します。

<まとめ>

どこの医療機関でも受けられる治療ではないため、情報が少なく、不安が大きいかもしれません。しかし、個人差はあっても、治療効果が出ていることも確かです。費用負担が大きくなるため、費用対効果が気になるところですが、保存的治療の効果が薄く、手術はできるだけ避けたいという方には一つの大きな選択肢となるのではないでしょうか。開発途上の治療法ではありますので、費用面だけでなく、信頼できる医療機関での治療を検討されるとよいでしょう。

参考サイト:

https://www.m.ehime-u.ac.jp/school/orthopedic/category/information/page/6/

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000085_20220617_504AC0000000068

https://www.juntendo.ac.jp/hospital/patient/other/prp.html

https://kansetsu-life.com/comm_rept/3_55.html

https://ephemereclinic.com/knee-prp-failure/

https://www.qlife.jp/asc/interview/story2.php

https://www.m.ehime-u.ac.jp/school/orthopedic/information/prp%E7%99%82%E6%B3%95%E3%82%92%E5%B0%8E%E5%85%A5%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F/

https://stemcells.or.jp/regenerative-medicine-law/