再⽣因⼦注⼊療法

コラム

腰痛とPRP療法

再生医療であるPRP(多血血小板血漿)療法は、変形性関節症や外傷など、その適応が広がりつつあり、慢性腰痛にも行われるようになっています。

「慢性腰痛患者の自然経過は、急性腰痛に比べて不良である。(腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版)」

腰痛症の中でPRP療法の適応となるのは、3カ月以上保存療法を行っても改善が見られない慢性腰痛です。ただし、痛みの原因が特定できる場合でないと対象となりません。

具体的には、上殿皮神経障害、椎間関節症、椎間板変性、仙腸関節炎、多裂筋変性などが挙げられます。では、適応となる疾患について、簡潔に説明していきます。

上殿皮神経障害

上殿皮神経とは、腰の皮膚に行く数mmの細い神経のことで、この神経が傷むことによって腰痛が生じます。症状はいわゆる<普通の腰痛>で、腰をひねったり、起き上がったり、歩いたりすることで痛みが強くなります。

参考サイト: http://www.neurospine.jp/original42.html

椎間関節症・椎間板変性

椎間関節症とは、背骨の背中側の骨の関節部分(椎間関節)に炎症が発生する病気です。

椎間関節の炎症や症状の悪化の原因は、椎間板の変形にある場合が多く、加齢や椎間関節への過度な圧力などが要因となります。

腰を後ろに反らしたりひねったりすることで痛みが出るという特徴があります。

仙腸(せんちょう)関節障害

https://www.sentyo-kansetsu.com/jp/img/exp01.jpg

仙腸関節とは、脊椎の根元に位置し、仙骨と腸骨の間にある関節で、3~5mm程度のわずかな動きをする関節です。この関節は、脊椎のバランスを取っていると考えられていますが、中腰や繰り返しの負荷で関節に不適合が生じることで痛みが出てきます。

症状は、片側の腰臀部痛、下肢痛が多く、仙腸関節のねじれが続くと慢性腰痛の原因となります。長時間椅子に座れない、仰向きで寝られない、痛みがある側を下にして寝られないなどが特徴的な症状ですが、腰椎の病気との症状とも似ているので、鑑別が必要です。

引用・参考サイト:https://www.sentyo-kansetsu.com/jp/sacroiliacjoint.php

慢性腰痛に対するPRP療法

保存的療法ではなかなか症状が改善しない慢性腰痛に対して、症状の改善や治癒促進を期待してPRP療法が行われています。

腰痛に対して行われるPRP療法も、採血した血液から多血小板血漿を精製し、患部に注射する方法です。

PRP療法について詳しくお知りになりたい方は、

「変形性膝関節症の治療 ~バイオセラピー編~」をご覧ください。

変形性膝関節症の治療 ~バイオセラピー編~

まとめ

再生医療の進歩とともに、PRP療法の適応範囲も広がりを見せています。現在は自由診療で行われている治療法ではありますが、長引く症状でお困りの場合や、手術への抵抗感が強い場合などは特に、選択肢の一つとなるのではないでしょうか。

あまり症状が進んでしまった状態では、効果が得られない場合もあります。PRP療法の対象となるか、どのくらいの効果が見込めるかなど、まずは担当医に相談をしてみましょう。

参考サイト:

https://www.tokaihp.jp/division/hipcenter/

https://seikei-online.jp/column/waist/13965

file:///C:/Users/%E6%AD%A3%E7%BE%8E/Downloads/%E8%B3%87%E6%96%991%20(3).pdf

https://seikei-saisei.jp/doctor-0007.html

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001110/4/Low_back_pain.pdf

http://www.neurospine.jp/original42.html