再⽣因⼦注⼊療法

コラム

変形性膝関節症と膝サポーター

変形性膝関節症の方に膝サポーターは必要なのでしょうか。

膝が痛いからと何となく膝サポーターをしている方、受診してサポーターの着用を勧められたり処方されたりした方など。膝サポーターを使用されている方の背景は様々かと思いますが、膝サポーターを使用する意味を理解している方は意外に少ないかも知れません。

膝サポーターの使用を検討している方、使用をやめようかと考えている方はもちろんのこと、サポーターの使用を考えたことはないけれど、どのようなものか知りたい方にも分かりやすく説明していきますね。

膝サポーターを使う意味

膝サポーターを使うと、どんな効果が期待できるのでしょう。

膝サポーターには主に「保温機能」、「安定機能」、「圧迫機能」を備えたものがあります。

「保温機能」は、膝周辺の血行を改善し、痛みの軽減を図るための機能です。膝への負担を減らすために、関節の動きを制限するものが「安定機能」です。そして、これはあまり知られていないかも知れませんが、関節の周囲を圧迫するのが「圧迫機能」です。なぜ圧迫するのかというと、皮膚への圧力の刺激(触圧覚)は痛みを感じる感覚(痛覚)よりも脳へ伝わる速度が速いため、痛みを感じにくくする効果が期待できるからです。

保温機能を持つものは、筒状になっていて簡単に着脱できるタイプのものが多いです。ベルトで止めるタイプのものは、主に安定機能や圧迫機能を備えています。

膝サポーターは使った方がいい?

 膝サポーターが持つ機能や目的をお伝えしましたが、ではどんな人でも使うということが正解なのでしょうか。

実は、膝サポーターを使うことにもデメリットがあります。一つは、足回りの筋肉が衰えてしまう可能性があるということです。本来筋肉で支えている膝の動きを、サポーターの機能で補うためです。この他にも、膝の動きを制限するために、他の部分に負担がかかってしまい、足首や腰などの膝以外の部位に痛みが出てきてしまう可能性も考えられます。

また、サポーターの締め付けすぎによるうっ血や圧迫痛、皮膚トラブルの出現や悪化にも注意が必要となる場合があります。

起こり得るデメリットを理解し、運動療法などを取り入れ筋肉を衰えさせないことを意識しながら使うことが大切であると言えるでしょう。

まとめ

膝サポーターを使用することが、変形性膝関節症の治療ではありません。ですが、サポーターが持つ機能をうまく利用すれば、痛みが軽減したり、膝の負担を減らしたりする効果を期待できます。

変形性膝関節症が進まないよう、必要な筋肉を鍛えることは重要です。上手にバランスを取りながら、付き合っていけるといいですね。

参考サイト:

http://www.kochi-u.ac.jp/kms/fm_ortop/index.html

https://www.mediaid-online.jp/clinic_notes/information/477/